あえて幾つかの本を手放したのですが、その時にどうしても残ってしまった本たち。理由は色々。
①写真が貴重だから
②マーケットにあまり出回っていなさそうだから
③単に何回読み返しても面白いから
④まだ読んでいないから
⑤図書館に返却しなければならないから
①は笹本恒子による【昭和を彩る人びと】と土門拳の【古寺を訪ねて】この二人の写真家それぞれに被写体となった人は多い。しかし
初代水谷八重子などを見ればその風貌はまったく別人のようだ。
②はアマチュア演奏家としての顔を持つ文豪アンドレ・ジッドの【ショパンについての覚え書き】
③無印良品の書籍【人と物 花森安治】彼の言葉は常に鋭く熱い。
花森の死から数十年後に「暮らしの手帖」を引き継いだ松浦弥太郎。彼の都会的な生活と意見をつづった【いつもの毎日】にもお洒落は厳しさを伴うというセンスを感じるし、渋谷直角のコミックス【(続)デザイナー渋井直人の休日】も何げないショートストーリーの連続なのだけど読みだすと止まらない面白さ。
【なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?】紀伊国屋の経済書コーナーで購入したので表題の「不安」は「経済的な不安」を指しているんだろうと当時は読みながら思った。しかし今もう一度(部分的に)さらってみると単に経済だけの問題ではなくなっていて。意外と手強い本なのかも知れない。サブタイトルの「数千年に一度の経済と歴史の話」が重くのしかかってくる。
④刑事マルティン・ベックシリーズの最終話【テロリスト】はなかなか読めない。このシリーズでは断然「笑う警官」が有名なのだけど、今作がマルティン・ベックの最後の事件と思うと二の足を踏むではないが、さあ読もうという気になれない。ハヤカワの【ミステリマガジン11月号】クリスティの特集ほか。これも全て読み通したわけではなく「そのうち」と半年くらい手つかず。
⑤写真家ロベール・ドアノー自らの写真とエッセー【不完全なレンズで】は良かった。同業者(アンリ・カルティエ・ブレッソン)や被写体としてのアーティスト(ピカソ、ズーク、ブラッサンス)工業写真の依頼主ルノー社などに対するとても興味深い記述に目が離せなかったのだけど、もうすぐ返却期限日。
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