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第四夜 猫年

 

アル・スチュアートの事を述べるのは何回目になるだろう。たぶん【珈琲とレコードとetcの日々】を始めた頃から彼と当アルバムについての雑感を一応忘れないうちに書き留めてあったはず。中古でアナログレコードとして買ったことも覚えている。平成の終わりにレコードをかけるとは思わなんだとか過去ログにあるので。MDやDATが滅びゆく今、レコードが生き延びたのは喜ばしい。その【イヤー・オブ・ザ・キャット】(以下猫年)は中身の素晴らしさに加えてジャケットのアートセンスがまた洒落ているので、そこも含めて洋楽名盤の中でも安心安全の信頼度を高めているんだと思うね。(←なんか生意気発言💦)ところがこのデザイン、先ごろ第三夜で紹介したヒプノシスによるものと知った時はとても違和感を持ちながら驚いたのだった。というのはかつてストーム・トーガソン(fromヒプノシス)監修のレコードジャケット写真集も持っていたし「シュール」「写真」の先入観が強かったので、じつはイラストを手掛けるチームという想像がつかなかった。(まあ私の認識・勉強不足なわけですが)事実、アル・スチュアートの1970年代のアルバムはキーフ(第二夜参照)による肖像写真、そしてヒプノシスによるシュールでアイロニカルなアート写真で占められている。そんな中でのイラストしかも珍しく奇をてらわないモダンでポップな構図とファンシーな色彩の混在・・・。猫年のそれはヒプノシスの作品群でもかなり高品位なアートワークに入るのではないかと。