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文藝春秋 5月号

1月号を読んだ際、塩野七生女史の対談記事が面白く、年齢を重ねてなお衰えぬ観察眼、執筆力に大変感服したので、新型ウイルス蔓延に困窮するイタリアの情勢を知るにつけ、彼女の安否が気になってはいました。


そんな中、今号の総力特集『コロナ戦争~日本の英知で疫病に打ち克つ』に女史が寄稿しており(3月下旬の記述ではあるが)現在の彼女の生活と意見、世界への眼差しを安堵しながら読み取る。

この特集では、防疫の観点から歴史学者の磯田先生も過去の歴史から何を学べるか持論を展開。賢人、藤原正彦の『古風堂々』も見逃せないし、しばらくテレビの過剰な報道に煩わされずに済むかも。その代わり些細な事でも自分で自分の身を守る知恵をつけねばという気分にもなり。さしあたってはそう熱くない湯で日本茶を淹れる。春待ちといふその煎茶は全身に沁みわたり、落ち着きを取り戻してくれる。