何となく思い出す2

 

シッダールタ/荒野のおおかみ こちらはヘルマン・ヘッセの40~50歳頃の作品。シッダールタはイエスのジョン・アンダーソンになんらかの霊感を与え、危機という名盤の題材にもなった。

荒野のおおかみは何と言ってもハリー・ハラーの迷い込み、そして逃れられなくなる支離滅裂な幻造世界の描写が圧巻です。この頁を読んで悪の教典♯9第一印象パート2の無茶苦茶なショーの呼び込みを連想。ELPもヘッセの影響かな~あんまりらしくない気がしていたら、詩作はピート・シンフィールドなんですと。なんか納得。

 

さよならアメリカ 宝島社ファッション雑誌に連載中のデザイナー渋井直人の休日が面白くて、つい手が伸びた渋谷直角のコミックス。アメリカ文化に憧れ、ライフスタイルに於いてもアメリカ人以上にアメリカらしさを追究する日本人の中年男。自由気ままな生活を送っていたのに、ある時ウォーホルのデッサンを入手した事から彼のまわりに不穏な空気が立ちこめ、彼自身にも危険が及んでしまい・・。好きなモノが災難を呼び込む怖い話と思っていたら、モノを大切にしつつも人のこころを尊ぶほうに賭けたアンディの行動が報われて良かった。

 

国書刊行会ドラキュラ叢書でジャック・ロンドンの「星を駆ける者」がなかなか入手できず、またしてもお節介なAmazonから同シリーズのレコメンド。イーデン・フィルポッツと言うと、ミステリー作家だと思っていたからファンタジーホラーの作品群に選ばれているのも怪しい話で、騙されたと思いながら図書館で借りて読んだのが狼男卿の秘密 あんまり先入観にとらわれずに読んだ事もあって意外に面白い。狼男伝説スリラーと古文書ミステリーの両方楽しめるし、少々クラシカルではありますが。狼つながりでダリル・ウェイズ・ウルフのカニス・ループスを聴くと最後にイアン・マクドナルドのフルートに出逢うというおまけがつく。