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私の好きな洋楽三十六歌仙 令和改訂版①

 平成30年から令和元年 選出

 

1.アニー・ハズラム  

ソプラノ・リリコ・レジェーロに近い声質の持ち主でオペラを学んでいたという経歴にも頷ける。長期間ルネッサンスを率いる。

燃ゆる灰 四季

 

2.アリス・クーパー 

彼が校長先生を務める学校があるといいのに。スクールズ・アウト 

 

3.アル・スチュワート 

いつの間にか寄り添い・・離れてゆく謎なヴォーカル。個性の強い参加ミュージシャン、例えばジミー・ペイジやリック・ウェイクマンともぶつからず喧嘩せず。ひとえに育ちの良さかも知れません。オレンジ ゼロ・シー・フライス イヤー・オブ・ザ・キャット

 

4.イアン・ギラン 

私の尊敬するプレイヤーが数多く在籍していたディープ・パープルに色々ありながら、こんにちも居続けるヴォーカル。ジョナサン卿が他界し、ブラックモア卿が脱退した今、ギランの我が天下である。(ドン・エイリーもいるけど)ファイアー・ボール 紫の肖像 パーフェクト・ストレンジャーズ 

 

5.オジー・オズボーン 

この人も校長先生をやってほしいと時に思う。或いは用務員(世を忍ぶ仮の姿)と思わせての人生相談員。

 

6.カーメン・マクレエ 

ハートフル&テンダネス 個人的には弾き語りの女王と思っているのだが、世の中の評価はエラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンほどではないのが残念。でもそんなの関係なくデッカレーベルのバイ・スペシャル・リクエストを推したい。後年登場したアリシア・キーズにマクレエの後継者と期待したが・・。

 

7.クリス・スクワイア 

ベートーヴェンの言う「運命の扉」がもし存在するならば燃える朝焼けにおける激流のトレモロ奏法がそれだと思う。そんなベーシストでありながら、実は美麗なコーラスワークというイエスミュージックの礎を固めていた貴重な歌い手であった。サードよりスターシップ・トゥルーパー 危機よりシベリアン・カートゥル 海洋地形学の物語から儀式が白眉。

なお遅ればせながら聴いた彼のソロ作未知への飛翔 クオリティ、難易度の高さに感服。(2020年7月追記)

 

8.グレッグ・レイク 

クリムゾン・キングの宮殿展覧会の絵タルカス等の名盤において、吟遊詩人とソリッドなロックヴォーカリストの二面性を巧みに利用できた数少ない歌手。若かりし頃の深々としたお辞儀がまた好もしい。

 

9.ジェームズ・リザーランド 

コロシアムのヴァレンタイン組曲を聴いて知った人なのだが、中性的で野性的。女性が歌っているのかと思った。後にモーガル・スラッシュ(ジョン・ウェットンもいたよ)でも歌っていたような。資料が少なく人物像がつかめずにいる。

 

10.ジャスティン・ヘイワード 

ビーバーでもなければ、ティンバーレイクでもない。ムーディ・ブルースのヴォーカル。サテンの夜を朗々と歌っていたのが1968年頃、その後5大プログレバンドの5番目の座をジェネシスと争ったり、80年代はトニー・ヴィスコンティを招いてユア・ワイルディスト・ドリームをヒットさせたり。随分と息の長い人なのでさしあたり童夢を聴いて頂きたい。声質はグレッグ・レイクと同系色だが、何故かこちらのほうが暖かみがある。